ひきこもりの稚拙な考察

社会に対して懐疑的な視点しか持ってない

A.ヘミングウェイ『老人と海』

恥ずかしいことですがこの年になって初めてヘミングウェイを読みました。

呼んだのはピュリッツァー賞を取った『老人と海』。

 

数か月間も不漁続きの老人がカジキ漁に出、体がボロボロになりながらも魚と闘うストーリーです。針にかかったのは巨大なカジキ。釣り上げるまでに三日三晩かかりますが、魚との戦いだけでなく己の身体的精神的苦難を強い意志で打ち克つ様子に感動しました。

苦労して釣り上げた魚は港に帰る途中に何度もサメに襲われ、ただでさえ肉体的にずたずたの老人を悩ませます。しかしそこでも老人がサメと果敢に闘争するストイックさに読んでいて思わず自分も力んでしまいました。

 

A.ヘミングウェイはイギリスの清教徒の子孫であり、ストア派的なストイックな姿勢が老人に強く現れています。情を捨て自分の弱さに決して妥協しないハードボイルドな姿に何か熱いものを感じます。