ひきこもりの稚拙な考察

社会に対して懐疑的な視点しか持ってない

米FRBの政策金利が世界経済にもたらす影響

FRBは金融政策決定会合にて、かねてから実行を示唆していた利上げを見送った。アメリカはリーマンショックによって経済が低迷し、以降金融緩和を行い市場の活気を復活させてきた。今回の利上げは昨年度から何度か実行の可能性が示唆されていたが、ギリシャのデフォルトや欧州経済の低迷などで何度か見送られたが、今回も見送られる結果となった。世界経済が落ち込んでいる中、アメリカが金利引き締めを行うと世界経済に打撃を与えかねない。また世界経済が低迷すればいずれ米国経済にも負の影響がもたらされる。そのようなジレンマの状態の中、FRBは金融引き締めを見送ったのだ。
もし米国が記入引き締めを行ったとしたらどのような影響が世界市場にもたらされるのか。

新興国市場への影響
これまでリーマンショック以降金利が3%から0.25%に緩和された。そのため国が発行する国債から得られる利息が少ないため、米国国債より多少リスクがあれど金利が高い新興国市場の国債が買われていた。しかしもし今回金利が引き上げられれば、リスクが高い新興国市場の国債は売り出され、再度米国国債の人気が高まる。そのため新興国資金が集まらなくなり、成長に負の影響がもたらされかねない。また国債購入のためにドルの人気が高まるため、ドル高が進む可能性がある。日本にとっては円安ドル高に転じるので輸出産業の利益が増大するが、米国の輸出企業にはマイナスに働く。
(また今回の利上げ見送りによって利上げが難しい=米経済は安定していないとの慎重な見方が広まり、ドルが売られる円高ドル安(ドル=110円台)に転じた。)

日本株式市場への影響
日本経済は米国経済に強く依存しているため、もし金利が上がって米国企業の収益が低下すれば株式市場は下落する可能性がある。一方で先ほど述べた理由で円安が進むため外国投資家にとっては同じドルの金額で多くの株式を購入できるため、株高になる可能性も考えられる。
この二つのパターンは市場が金利引き締め後にどう反応するかによって代わってくるため、先は読みにくい。

まとめ
もしアメリカが金利引き締めを行えば世界市場に多大な影響をもたらしかねない。世界経済の影響は結果的にアメリカにも影響してくるため、アメリカは自国内の情勢だけで判断できない状態なのだ。

追記
日本は国債の多くを日銀が買い占めているため、日本はマイナス金利が続いているが依然と国債の人気は高い。日銀が購入し続ける以上、日本の国債への信頼が厚いからだ。、あた欧州経済の低迷とと中国経済の減退から、日本債券がリスクが低いと判断されたためとも考えられている。
日本の国債についてまとめたこちらもご覧ください。